セファロタス

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セファロタス フォリキュラリスの種類と育て方 - 食虫植物 セファロタスの管理について 水やり、湿度など

セファロタスの管理について

セファロタスは本来、とても丈夫で育てやすい食虫植物です。セファロタスの性質をしっかり理解した上で、ポイントを押さえた管理をしていくことが大切です。

セファロタスの栽培においては、とにかく根の育成が最重要です。細く長い根をどれだけ育てられるかにかかっています。例え、どんなにデタラメに思える栽培方法であったとしても、根が健やかに育っているのであれば問題なく、逆に完璧に思える栽培方法であったとしても、根が育っていなければ栽培環境に改善の余地があるでしょう。

セファロタスを管理する上での目安

生存温度:5度から35度

育成温度:15度から25度

生存湿度:20パーセントから100パーセント

育成湿度:日中65パーセント前後、夜間70パーセントから80パーセント

光量:屋外の場合は50パーセントの遮光や明るい日陰、室内照明の場合は可能な限り明るく

潅水:用土の表面が乾いてきたら水やり、ただし、用土の乾燥は厳禁

植え替え時期:最高気温が20度以下であれば、いつでも可

肥料:用土がミズゴケの場合は不要、養分は根から吸収、窒素を多く含む肥料が葉に付着しないように

留意すべき事項の優先順位:水やり>光>湿度>温度>通気
※水やり、光は、セファロタスの生存に影響。湿度、温度、通気は、セファロタスの生長に影響。

特に注意すべき枯れる原因:根腐れ

※初心者の方に向けて、安全に栽培できる範囲での目安となっています。セファロタスの栽培に慣れてきたら、植え替えの時期など、育てているセファロタスの健康状態をみながら判断していただければと思います。

※あくまで目安です。実際には、氷点下や気温40度近くでも、耐えてくれることが多いです。

セファロタスの栽培と管理について

このサイトを公開した2013年、セファロタスの育て方について、書籍でもインターネット上でも、どこを調べても、用土を常に濡らしている栽培方法が紹介されていました。

このサイトの公開前からも一貫して紹介してきた、用土を乾燥ぎみにという栽培方法は、一般的なセファロタス栽培の常識と、あまりにも、かけ離れているかもしれませんが、セファロタスの持つ可能性のひとつとして、栽培のヒントにしていただければと思います。

このサイトの冒頭でも、お伝えしましたとおり、セファロタスには様々な栽培方法があります。

ここで紹介させていただいているのは、特別な設備なく、何年、何十年と、貴重な系統を維持し、そして何より、少しでも美しく育てるため、独自に試行錯誤してきた内容になります。

セファロタスには、このサイトとは全く異なる栽培方法もあり、それぞれ素晴らしいセファロタスが育てられています。

そして、大切なのは、色々な栽培方法の良さそうなところだけを持ってきて組み合わせてしまうと、うまくいかないことが多々あるということです。

ですので、まずは、それぞれの栽培方法ごとのセオリーに習って始めていくのが良いように思います。

そして、セファロタスの栽培が軌道に乗ってきたら、今度は常識にとらわれず、時には専門家(あるいは、このサイト)がダメだと念を押すようなタブーにも、是非とも挑戦してみてはと思います。

セファロタスと通気

セファロタスは風を好む食虫植物です。わずかに空気が動いているだけでもかまいませんので、まず、空気の流れに当てる、ということは、セファロタスの栽培において重要なポイントのひとつです。

空気の流れは、左右に空気の通り道を開けたり、下から上への対流などによって取り入れることができます。

大気中には微生物や微細な有機物が大量に含まれています。空気の流れに当てることは、こうした栄養豊富な空気を常に袋の中へ送り込み続けることになりますので、養分の安定供給を期待できるのではないかと考えています。

セファロタスと日照

セファロタスは意外なほど光量不足にも強いため、蛍光灯の光だけで育てることもできます。ただし、セファロタスを蛍光灯の光で育てる場合は、少なくとも二灯式の蛍光灯を使用し、蛍光灯とセファロタスの距離は少なくとも40センチ以下にする必要があるでしょう。

セファロタスの栽培においては、明るさよりも光の質が重要です。特に赤や青の波長が重要で、緑や黄色は無くてもかまわないくらいです。緑や黄色の割合が多い室内用の蛍光管では、じわじわと弱り、やがて枯れてしまう場合があります。そのため、蛍光管は植物育成灯が適しています。

とはいえ、やはりセファロタスは自生地の環境を考えても日光を好む植物と言って良いでしょう。

ただし、くれぐれも蛍光灯の弱光下で育てたセファロタスをいきなり強い日射しに当てることのないようにご注意ください。いかなる場合においても新しい環境へ移すときには、十分に時間をかけて少しずつ慣らしていくことが何よりも大切です。

セファロタスの水やり

セファロタスの栽培において、用土の状態はとても重要です。用土が湿っている状態を維持しますが、濡れている状態は良くありません。

セファロタスの鉢が過湿になっていないかどうかの目安としては、表面を覆うミズゴケの先端だけが乾いているくらいが良いでしょう。ミズゴケは乾燥すれば白くなりますので、用土の表面が、ところどころ白っぽくなっていることで適切な湿り具合を確認することができます。

セファロタスは用土が腐敗すると、あっという間に枯れてしまいます。わずか1日で、同じ鉢に植えた複数の株が全て、見るも無残な姿になってしまうこともあるほどです。

ですから、セファロタスの栽培においては、用土を腐敗させないような水やりが求められます。できるだけ新鮮な水を上からたっぷりと、鉢からあふれ出すくらい与え、鉢の中の古い水や空気を押し流して、清潔に保つようにするのが理想的です。

なお、表面のミズゴケが乾いてきても、持ち上げてみると意外に重いことがあります。

この場合、大量に水やりをしますと、用土の内部がいつまでも過湿な状態となり、根が呼吸できずに溶けたり伸びなかったりする可能性があるため、軽く水やりをするのが良いでしょう。

ただし、これは一時的な対処であって、健全な環境では、水はきちんとセファロタスに吸収され適度に軽くなるため、いつまでも鉢が重いということは、何か問題が起きているサインと考えた方が良いかもしれません。

用土の乾きが悪い原因としては、セファロタスの大きさに対して鉢が大きすぎるということも考えられますが、多くの場合、用土の劣化や植え方、用土の重みなどで、特に鉢底あたりの通気や水はけが悪くなっていたり、あるいは、根に問題が起きて、セファロタスが水を吸わなくなっている、ということがあります。

このような場合には、とつぜん調子を崩す前に、タイミングを見計らい、新鮮なミズゴケで植え替え、その後も、栽培環境に合わせたペースで定期的に植え替えを行っていく必要があるでしょう。

セファロタスを植えてある鉢の下に容器を置いて水を貯めておく場合は、この水が常に新鮮であることに注意します。また、鉢底にはあらかじめ軽石を多めに入れておき、貯めた水にミズゴケが浸らないようにするのも用土の腐敗を防ぐのに有効です。

この腰水と呼ばれる給水方法は、花期などの急激に水を吸収するような場合や、種を蒔いた鉢などに用いますが、根が十分に張っていない株や、あまり株の状態が良くない場合、あるいは気温が23度を超えるような季節には、腰水は行わないようにした方が無難です。

とにかくセファロタスの水やりは表面のミズゴケが乾き始めてから行うことが大切です。水やりが適切かどうかは根を見れば一目瞭然です。地下茎から、いくつもの細い根が十分に伸びている状態が理想的です。

水やりの後にはセファロタスの鉢を軽く持ち上げてみて、重さを覚えておくようにすれば、そのうち鉢の重さだけで水やりのタイミングを判断できるようになります。このような方法はセファロタスが用土を覆い尽くして用土の様子がわからなくなっている場合にも役立ちます。

外気にしっかりと馴化しているセファロタスであれば、用土の表面から少しくらい水気がなくなっても枯れることはありません。もちろん、用土を乾燥させてしまえば枯れてしまいますが、用土を触っても濡れないくらいの湿り具合で管理すれば、用土を状態良く維持しやすくなります。

乾湿のメリハリを意識し、用土を適度に乾かし、そして、水をしっかり与えていれば、セファロタスは勢いよく生長してくれます。

なお、極端に水が足りない場合、だんだん生長のスピードが遅くなっていき、やがて、生長が止まったようになります。このようなセファロタスは、ほとんど管理しなくても枯れませんので、希少な系統を維持する目的で、増殖した株の一部をこのように管理するのも有効です。

湿度の管理

セファロタスは高湿度を好みますので、湿度は40パーセントから70パーセントで管理します。これよりも湿度が低ければ小さくなっていきますし、あまり湿度が高すぎても日に日に弱体化していきます。

セファロタスを湿度30パーセント以下の環境で育てていると、次第に袋がつかなくなり、普通の葉だけになっていきます。湿度の低い場所で3年ほど育てていたセファロタスは、1年のうちで特に湿度が高くなる夏場、8月にだけ補虫袋を付け、9月から翌年の7月までは、普通の葉だけを展開していました。

観賞価値の高い捕虫葉を期待するならば湿度50パーセント以上の環境が望ましく、さらに湿度の高い環境で育てた方が、より大きな袋がつきやすくなります。

また、湿度を高めようとするあまり、狭い容器に密閉して通気をなくしてしまうことは、セファロタスの栽培において、セファロタスを弱体化させてしまう原因のひとつです。

ただし、もし、そのような環境で育てられていたセファロタスを入手した場合、いきなり外気にさらすと、わずか数時間で干からびて枯れてしまうこともありますので、その場合は1ヶ月ほどかけて、外気に馴化させる必要があります。

高温、高湿度の密閉環境で育てられていたセファロタスは葉に光沢がなく、薄い緑色、あるいは、その上から紅葉した姿をしていて、袋から伸びる葉柄もヒョロヒョロと頼りない感じをしています。

このようなセファロタスを植え替えて新しい環境に置くと、いったんほとんどの葉が枯れ落ちるので、初めての方はビックリしてしまうかもしれません。

ですが、慌てていじりまわしたりせず、数ヶ月ほど見守っていれば、やがて部屋の環境に合わせた新芽が次々と展開され、見違えるほどしっかりとした濃い緑の株へと生まれ変わります。

セファロタスを栽培する場所には、必ず、湿度計を置き、40パーセントを下回るようなら、通気の良い簡易温室などに入れ、朝と夕に霧吹きを行ったり、加湿器を使用したりします。

湿度不足に対しては、特に霧吹きの効果が絶大ですので、湿度が下がったら、まず霧吹きを使用します。セファロタスに付いている全ての葉が十分に濡れるくらいが目安です。このとき、霧吹きの水は毎回、新しく入れ替えるように注意します。

また、夜間も40パーセントを下回るようであれば、小型の加湿器を使用すると便利です。加湿器は湿度と空気の流れを同時に発生させるため、上手に使用すればセファロタスの管理がとても楽になります。

夏季の日中などは気化熱による葉面温度の低下を期待して、あえて湿度を低くする場合もありますが、四季を通して夜間は可能な限り高い湿度を保つようにすべきです。理想としては65パーセント以上で、夜間の温度が30度以下に保てるならば、さらに湿度を高くすると生育が良くなります。

なお、セファロタスがどの程度、馴化しているかは、フタの開き具合が教えてくれます。

湿度が40パーセントの環境に置いてみて、数時間が経過しても、フタがしっかり開いて閉じる気配がなければ、うまく馴化しているという目安になります。

ただし、口が大きい系統は湿度の低下に対して耐性が低いように思われますので、そのような場合は50パーセント以上を目安にしてはと思います。

あまり湿度を低くしてフタの開閉を繰り返すと、フタだけが枯れてしまい、少しばかりシュールな姿となってしまうことがありますので、フタが常に開いている程度の湿度は保った方が良さそうです。

セファロタスの植え替え

セファロタスには特に植え替えの時期というものはありませんので、極端に暑かったり寒かったりしなければ、いつでもかまいません。

ただし、猛暑などの異常な環境を過ごしてきた直後のセファロタスは見た目よりも弱っている可能性があります。このような場合には植え替えは避けるべきでしょう。

また、セファロタスを植え替えてから目安として1ヶ月足らずの根が張らないうちに、30度を越える日々が続くとセファロタスは枯れやすくなります。

特に、用土を固く押しこんで通気や水はけが悪くなっている、通気や水はけの悪い用土で腰水を行っている、狭い容器へ密閉している、などの要因によっては、夏の間に全滅しますので、この点だけは要注意です。

地域により気候が大きく変わるため、植え替えの季節も地域ごとに変わってきますが、目安としては、最高気温が20度以下の時期がセファロタスへの負担が少ないように思います。

乾燥ミズゴケを使用する場合は、数十分程度、水で戻した後、軽く水気を切り、フワッとした状態のものを使用します。ミズゴケの湿り具合は、触っても手が濡れないくらいが目安です。

なお、水気を切る際にミズゴケを絞ってしまうと、せっかくの栄養分が水と一緒に流れ出て大きく減ってしまいます。ミズゴケの水気を切るには軽く振るくらいで十分です。

また、植え替えの際、地下茎から長く伸びる細い根を決して乾かさないように注意しながら作業を行います。鉢から取り出したセファロタスは、植え付けるまでの間、紙コップやバケツなどに貯めた水に根の部分を浸しておくと安心です。

セファロタスを植え替える場合には、ミズゴケを山のように盛り上げ、新芽が隠れるくらい深く、ふんわり優しく植え込み、根付くまでは高い湿度を維持し、暑さを避けて管理することがポイントです。

ミズゴケのグレードにもよると思いますが、セファロタスの場合、ミズゴケをきれいに揃えてから植えると、へたって通気が悪くなってしまった場合にリスクが大きいため、セファロタスに限っては、できるだけ、フワッとした毛玉のように丸め、用土の中に大きな隙間がいくつもできるイメージで包み込みます。

なお、ミズゴケで植え替えた場合、植え替え直後には水やりをせず、植え替え後の最初の水やりは、用土の表面が乾き始めてから行います。

植え替えは小さな鉢で1年に一度、大きな鉢で2年に一度くらいが目安です。これは根が鉢の底に到達してしまうことを想定したものですが、環境により、より早く植え替えが必要となる場合もあります。

セファロタスは際限なく根を伸ばし続けてしまいますが、根が用土を突き抜けて鉢底石に達してしまうと、うっかり水切れさせてしまった際などに調子を崩してしまう場合があります。次の新しい根が出て株が再生すれば復活しますが、それには数ヶ月を要します。

ですので、小さな鉢で育てているセファロタスは、頃合を見て大きく深い鉢に用土ごと移し替え、根が用土から出てしまわないように管理していくと安心です。

ただし、花を咲かせたい場合は植え替えを控え、水切れに注意しながら、根を十分に伸ばすようにした方が良さそうです。

セファロタスの根は、清潔な用土と豊富な栄養分、そして、新鮮な水と空気を好みます。新しいミズゴケは、その全てを備えています。

ミズゴケがどれくらいの年月で傷むかは、水やりの頻度、温度や湿度、肥料を与えているかどうかや、使用するミズゴケの品質にもよりますが、今の環境で、どのくらいのペースで植え替えするのが、いちばんセファロタスが喜ぶのかを把握することも、大事なポイントのように思います。

ミズゴケは遅かれ早かれ傷んできます。養分は枯れ、通気や保水の機能も衰え、老廃物が溜まっていきます。セファロタスを健康に栽培するためには、植え替えを避けて通ることはできません。植え替えの時に異臭がするほど放置することのないよう、くれぐれも注意したいものです。

セファロタスの施肥

新しい乾燥ミズゴケには、環境によっては緑のコケが大繁殖してしまうくらい豊富な栄養分が含まれています。このため、ミズゴケで栽培している場合には特に肥料を与える必要はありませんが、どうしても肥料を与えてみたいという場合には、やり過ぎて枯らせてしまうくらいなら、少ないけれど全くやらないよりは良いだろう、くらいの気持ちで与えるのが良さそうです。

肥料の与え方

セファロタスに与える肥料は、ハイポネックスなどの液肥が適しています。十分に成長したセファロタスは他の食虫植物よりも肥料に強く、いわゆる肥料焼けも起こしにくいのですが、用土を状態良く保つことを最優先として、規定量の2倍から10倍に薄めて用いる方が無難です。

セファロタスへの施肥は、用土が乾いてきて鉢が軽くなってきたタイミングで行います。まず、ごく軽く水やりを行い、ミズゴケをわずかに湿らせます。次に、株から離れたところへ薄めの液肥を与え、その後、通常の水やりをします。

なお、用土に肥料を与えると早ければ数日で効果が現れますが、それに比べ、セファロタスの補虫袋に肥料を入れても特に目立った効果が感じられず、また、袋の寿命が短くなってしまう可能性もありますので、肥料は用土にのみ与えるのが良いように思います。

肥料を与えるリスク

肥料は与え方によっては大きなリスクを伴います。まず肥料は用土、特にミズゴケを腐敗させてしまう可能性があります。このため、用土が過剰に水分を含んでいる場合や、夏場の暑い時期には要注意です。

肥料の濃度にもよりますが、肥料を与えると少なからず用土の浸透圧が高くなる場合があります。陸上の植物は体内の浸透圧より用土の浸透圧が高くなってしまうと、肥料どころか水も吸い上げられなくなってしまい、脱水状態になってしまいます。特に水を吸い上げる力が弱い小苗は、薄すぎるくらいが、ちょうど良いです。

肥料を与える前に確認したいこと

弱ったセファロタスの応急処置

育てているセファロタスが猛暑などで弱ってしまった場合、適切な処置を行うことで、再び元気を取り戻してくれます。

注意すべき点として、株が弱っているときに、植え替えや馴化作業をしてしまうと、最悪の場合、枯れてしまうこともあります。

ですので、まずは、状態を立て直すことを最優先に管理します。

ポイントは、外気の遮断、そして、干からびない程度に用土を乾かすということです。

具体的には、フタのある容器に入れ、腰水はせず、用土の表面が乾くまでは、フタを開けたり、水やりをしないようにします。

出来るだけ涼しい場所に置き、植物育成灯を照射したり、明るい窓辺やベランダで柔らかい日の光を当てます。

このような環境に置き、年に数回、水やりをするだけで、何年も維持している株があります。

セファロタスの季節の管理

海外のサイトでセファロタスの管理方法を調べると、自生地の状態を再現するような環境づくりを説明されていることが多いように思います。

ですが、ほとんどの場合、日本の猛暑は考慮されておらず、それをそのまま採用してしまうと、夏が訪れ、猛暑となったときに、なすすべなく弱っていってしまう可能性も少なくありません。

そのため、猛暑の対策を中心とした栽培方法を考えていくことが、日本におけるセファロタス栽培の重要なポイントと考えています。

セファロタスの春の管理

夏を乗り切るための体力づくりを中心に。植え替えや株分けは早めに済ませ、30度を超える季節が訪れる前までに、しっかり根が張るように。

セファロタスの夏の管理

植え替えや株分けなどは控え、現状維持を心がけ、猛暑を乗り切ることに集中。日中は、やや湿度を低めに、朝と夕は霧吹きで葉が十分に濡れるように。

夜は、汲んだばかりの冷たい水道水で、用土の中に溜まった熱を消し去るよう、十分な潅水を行い、くれぐれも水切れには要注意!セファロタスは根の回りが冷えることをとても好み、それだけで、他の、あらゆる逆境をも乗り越えてしまいます。

ただし、用土が過湿のままだと夏の間に根腐れを起こしてしまうなどの危機的な状況になりかねないため、用土が過湿のままにならないように注意し、乾湿のメリハリを意識した水やりを。

屋外で育てている場合は、夏の強烈な日差しで葉焼けをしないよう、明るい日陰か、遮光をして管理。

セファロタスの秋の管理

涼しくなっても、すぐの植え替えや株分けは控え、まずは猛暑の疲れを癒せるような管理を。

湿度が急激に低下しやすいので、加湿器を稼動させたり、鉢数が少なく株が小さい場合は透明なプラスチックのカップを被せるなど、常に高い湿度を保ち、特に夜間の湿度管理は万全に。

万一、夏に根腐れを起こしてしまった瀕死の株がある場合は、用土をやや乾かし気味にして可能な限り高い湿度で管理。

遮光せず直射日光に当てると葉焼けをして美観を損ねやすいので注意。

晩秋から初冬にかけて、どれだけ捕虫袋が充実するかで紅葉の見ごたえが変わってきますので、この時期は特に張り切って世話をしてあげると良いでしょう。

セファロタスの冬の管理

セファロタスが最も美しくなる季節。夜間を中心に湿度は高めが理想的。

しっかり寒さに当てると、光量が少なくても強烈に色づきます。鮮やかな緑色だった捕虫袋が、次々と深紅に染まり、やがて黒い袋に埋め尽くされていく様は圧巻で、セファロタスの見所のひとつです。

この季節まで、できるだけ葉焼けさせないように管理するのは、このためとも言えます。

セファロタスのライフサイクル

セファロタスが、どのように生長していくかを把握しておくことは、管理方法を考えていくためのヒントになるように思います。

  1. 発芽し、双葉が展開する。
  2. たくさんの小さな袋状の幼葉を付ける。
  3. サジ状の普通葉を付ける。
  4. 大きな捕虫袋を付ける。
  5. 花芽が伸びて花を咲かせたり、脇芽が地上に出現する。
  6. 親株の勢いが衰え、脇芽が勢い良く生長を始める。
  7. 脇芽の勢いが衰え、脇芽の、さらに脇芽が勢い良く生長を始める。
  8. 環境が十分では無い場合、親株は枯れ、いくつもの株が、あちこちに点在するような生え方になる。
  9. 環境が適している場合、たくさんの捕虫袋が、すき間なく一面に広がり、群生地のような生え方になる。

なお、順番が前後する場合もあります。

セファロタス栽培のヒント

セファロタスを栽培するためのヒント集です。

観葉植物の栽培をされたことの無い方は

食虫植物の栽培をされたことの無い方は

他の食虫植物栽培のNGをあえて

ウツボカズラ栽培のNGをあえて

サラセニア、モウセンゴケ、ハエトリソウ栽培のNGをあえて

ムシトリスミレ栽培のNGをあえて

(当サイト公開以前の常識的な)セファロタス栽培のNGをあえて

もう少し大きな補虫袋が見たければ

セファロタスの増殖について、詳しくはセファロタスの増やし方をご覧いただければと思います。

セファロタスの品種や、より詳しい栽培方法については下記をご覧ください。